暖かな曙光が,街を満たす

祐一と名雪が結ばれてたあの冬の日から
2年の時が過ぎていた

幾許かの奇跡に支えられた、かけがえのない時間
かけがえのない友人

水瀬家の養女となったあゆと真琴

二人の時間を紡いでいる舞と佐祐理

姉との時間を取り戻した栞

誰もが幸せに暮らしている


約束されたかのような幸福

呼び集められたかのような友の顔ぶれ
都合の良すぎる世界に、

疑問をさしはさむこともなく
彼らは時を紡いでいた



そんなある日、
祐一と名雪の前に現れた少女


「会いたかったよ、パパ!ママ!」

二人を両親と呼ぶ謎の少女『セネカ』

戸惑いながらも、
二人はセネカに心を開いていく



 




そして、その夜街に現れた悪鬼たちの群れ
『デカダンス』と呼ばれるその悪鬼は
セネカの命を奪おうと祐一たちに牙を向く

セネカを助けよう、
真実が解るまでセネカの親となろう、

そう二人は誓った


決意を胸に旅立った先、二人は汽笛の音を聴く

それは『星巡りの汽車』
古い港町の伝承にある、迷える魂を冥府の国へと導く汽車

空へと続く線路の先に

何が待っているというのだろう……